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介護保険の歴史

介護保険制度は、その時の状況に応じて適切な内容になるように改正されてきました。介護する側の負担を減らしながら、要介護者に少しでも自立した生活を送ってもらえるように常に考えられています。これまでには、2000年の制度スタート以降、2005年、2008年、2011年、2014年、2017年、2021年に改訂されました。

介護保険制度が作られる前にはさまざまな問題が…。

介護保険制度が作られる前には、老人福祉法や老人保健法といったものがありました。しかし、それらの制度にはさまざまな問題点が指摘されていました。

老人福祉の問題

  • 利用者が自分でサービスや事業所を選択できない
  • 所得調査が必要になるため心理的な抵抗感が生まれる
  • 市町村が直接運営もしくは委託運営するサービスが基本となっているのでサービスが同じようになりがち
  • 収入によって利用者さまの負担が増えるため中所得者や高所得者にとって負担が重くなってしまう

老人医療の問題

  • 福祉サービスの基盤整備が不十分
  • 介護を理由にした一般病院への長期入院が問題になった
  • 特別養護老人ホームや老人保健施設よりも医療費が高くなる
  • 要介護者が長期的に療養する環境が整っていない

このように、老人福祉と老人介護にはさまざまな問題があり、これ以上高齢者が増えると老人福祉や老人医療制度による対応には限界が訪れるのではないかと懸念されるようになってきました。それが介護保険制度の導入を考える要因の1つになったと考えられます。

介護保険制度の基本的な考え方

2019年12月には、2021年~2023年を対象とする第8期介護保険事業(支援)計画作成に関する制度改正議論がおこなわれました。その中で、2021年~2023年という短いスパンではなく、2040年度も見据えた介護保険制度の改革が必要だと確認されました。

というのも団塊世代が75歳以上の後期高齢者になる2025年から介護のニーズがさらに高まっていき、2040年にかけて高齢者が増加するペースは鈍化しても現役世代の負担は大きくなると考えられるからです。

現役世代にさらに重い負担がのしかかっていく今後のことを見据えた制度が検討されています。ICT導入や働き方改革、介護職員への処遇改善などの必要性。今後は、介護保険制度の在り様がさらに問われる可能性が高くなるため、高齢者の実情だけではなく周囲にいる支援者に対するサポートに関する内容もより充実させる必要性があるといわれています。

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